ヨーロッパのプロオケチェロ奏者になった道4
音楽っていいかも。心に気付く。
転校をきっかけに優等生を演じるようになった私ですが、気づけばピアノを弾くのも嫌いになっていました。
毎回のレッスン直前に焦って少し弾くくらいで、音楽を楽しむ感覚は全くありません。
正直やめたいと思っていました。
学校でもみんなが期待するような優等生を演じる、そんな窮屈な義務を自らに課し、
中学1年,2年と過ぎる内に、そんな閉塞感ばかりの生活も当たり前となっていきました。
進路調査も始まり、将来の漠然とした不安を感じるようになったのもこの頃ですね。
心の中では常にイライラするようになり、でもそれを外に見せない。
そんな子供だったので、家族から見て反抗期はそんなに無かったように見えたそうです。
大人に対しては特に優等生だったので、爆発する時は必ず弟に当たっていました。
弟には申し訳なかったですが、今では仲良いですよ←2人で旅行したりもします。海外と日本で遠いですが、気が向いたら気兼ねなく電話できる感じです。
今の生活への不満と将来への不安と焦りから、常に内心イライラしていて落ち着かない。
そんな時限爆弾みたいな葛藤でしたが、大人でもそういう人は時々見かけますよね😅
純粋な心を向けることを忘れた中学3年の頃、私はある種の運命の出会いを果たします。
ある日友達のススメで1枚のCDを買いました。別に興味はそんなにありませんでしたが、初めて買ったクラシック音楽のCD。今思うと大変メジャーな、素人向けと言われることもあるピアノ曲が10曲くらい収録されたものです。
クラシック音楽は眠いので、私は夜にCDをかけながら眠るようになり、
そしてある日、気づきました。
学校の登下校、授業中、お風呂、、、
ある曲をずっと頭の中で歌っている自分がいました。毎日聴いている内に自然と曲が頭に入っていたんですね。
その曲を歌うと、聴くと、
心に激しく切ない感情を抱きました。
たった5分くらいの曲、その最後の1音が消えた時、その命のような儚さに泣きたくなりました。
今世において初めて抱いた感情です。
私はその感情の虜となり、本当の心を誰にも明かせない孤独感と重ね始めます。
男子がピアノを好きだなんて女子っぽい。そんな変な価値観も持っていたので、
私は大好きなその曲を心の中に秘め、自分だけの宝物のように愛でていました。
しかし好きな気持ちというのは、膨らんで膨らんでいつか爆発します。
自分の手で弾きたい。
そんな想いが膨らむに膨らみ、ついにヤマハで楽譜を買ってきてしまいました。それはもう嬉しくて嬉しくて、貪るように練習しました。
今までちゃんとピアノを練習してこなかった私にとって、その曲はあまりにも難しかったです。
ですが根性だけで毎日何時間も弾き続け、下手にもなんとか通せるようになり、誇らしい気分でピアノの先生の元に向かいました。私が初めてピアノにやる気を見せたので、下手だったとは思いますが、先生は嬉しそうだったのを今でも覚えています。
当の私は「えっへん」としか思ってなかったです←すぐに調子に乗るんですね。
そうして次の発表会ではこの曲にチャレンジすることになり先生には「難しいよ〜」と言われましたが、
大好きな曲を先生の公認で弾ける!
私はやる気と情熱に満ち溢れていました。
外は優等生を演じ、内では自分の心と向き合う。というテーマの先でついに「自分だけの好きなもの」を見つけたのです。
さて例の曲とは、
リスト作曲「愛の夢第3番」です。
誰もが聞き覚えのある曲ですよね。
もちろん音楽家にとってはあまりにもメジャーな曲です笑
大人になっても気が向くと久しぶりに弾いて遊んだりしています。その度に懐かしくて温かい気持ちになります。
よくぞこの曲と出会ってくれた!という所ですが、実はこれは守護霊の導きでした。
あのCDの音楽は私にとって一生の宝物です。
今世を終えたとしても、心の奥の院にずっと残り続けるでしょう。
みなさんは一生の宝物ってありますか?
読んで頂きありがとうございます☺️
サイキックカウンセラー
自動書記画家
チェロ奏者 高橋勇輝
さて次回は緊張のピアノ発表会です。中学で性格を激変させた私の心はついに動き出します。
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