ヨーロッパのプロオケチェロ奏者になった道5
本音の心は翼となる。
一度はほとんど嫌いになったピアノ。
何気なく買ったピアノCDがきっかけとなり、
自分の手で弾きたい!
そう思える曲にようやく出会った私は、数ヶ月後のピアノ発表会へと突き進みます。
「愛の夢第3番」最初は優しい雰囲気の曲ですが、中間部はとってもドラマティックになります。
テクニック的にも難しく、何度弾いても上手に弾けなかった記憶があります。それまで真面目にピアノと向き合ってきたわけではないので、レベル的にはかなり無謀なチャレンジでしたね。
しかしその音楽から溢れる情熱と儚さの虜になっていた私にとって、何時間もの練習は苦痛ではなく、むしろ夢中になって弾いている内に何時間も経ってしまってた。そんな感覚です。
やはり「継続は力」ということで、どんなにお門違いなレベルの曲でも毎日何時間も弾くと、さすがに少しずつ着実に弾けるようになりました。
今でもそうですが、ピアノを弾くと一瞬で時間が溶けます。楽しくて楽しくて仕方がないですね笑
きっと本当に心の底からピアノが大好きなんです。
精神世界の観点では、
この時期の私に来ていたテーマは、
「何か1つのことをやめずに続ける」
ということです。
シンプルですね。しかしこのシンプルなテーマがいかに難しいことか。みんなが知っていることだと思います。
転職を繰り返す人の話もたくさん聞きますが、どうして続けられないのでしょうか?
合う合わない、人間関係、、、様々な理由がありますが、
私の場合は「自分の好きを知る」つまり「自分に対する母性」という根本テーマがありました。
自分という存在は何なのか?
何がどう得意で、何がどう苦手か?
何がどう好きで、何がどう嫌いか?
ポジティブもネガティブも両方の自分を知った上で受け入れる母性。
それがあって初めて人は自由を知ることができます。
自分の心の奥底と徹底的に向き合った末に見つけた「好き」だからこそ、自由に解き放つことができました。
あんなに弾くのが嫌だったピアノは、私が唯一本音をぶつけられる「翼」となったのです。
*自動書記ではありません。
内なるイライラエネルギーも、音楽の情熱へと形を変えました。
ちなみにこれは普段から使える心のテクニックです。イライラした時に他人や物に当たるのではなく、そのエネルギーをポジティブな情熱の炎に変化させることは可能です。
ともかく音楽をやる時だけ「情熱」を外に出すようになった私は「普段は静かだけど、楽器弾いている時だけ別人になるね〜」と今でもよく言われます。
転校を繰り返し「演じる人」になった人見知りの私は、音楽を通してだけ「本当の自分の感情」を出せるようになっていきました。
そうしてあっという間に発表会の日が訪れます。
高橋勇輝
次回、緊張の発表会を乗り越えた私は音高進学を希望するも。。。
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