ヨーロッパのプロオケチェロ奏者になった道7
生涯のパートナー、チェロと出会う。
音楽が好きであると自覚した私は音高進学を思いつくも、やはり覚悟は足らず、普通高校へ進学しました。
約9年前の4月、15歳の高校新入生は、
新生活への好奇心
恋愛への淡い期待
友達作りへの不安
ピュアでドッキドキな感情を胸に高校の敷地を跨ぎます。
同じ中学の同じクラスから一緒に進学してきた友達と歩いていると、彼はふいにあることを言いました。
彼「おれ、オーケストラ部入るんだけど、一緒に入らない?初心者からでもヴァイオリンとかできるらしいよ。」
私「えっ、そうなの?いいんじゃん。うーん。とりあえず見学だけ行こうかなぁ。」
中学時代は帰宅部だったので部活は正直面倒だなぁ。と思ってしまいましたが笑
川の流れのように委ねる生き方をしてきた私は、本音を隠した笑顔で見学に行くことを承諾しました。
部活見学会では、オーケストラの楽器たちの紹介、そして体験会がありました。
本当は音楽が大好きな私です。最初は面倒だったのに、いざ行ってみると内心のワクワクが止まらなくなってきました。
どの楽器もこんなに近くで実物を見て触れるのは、人生初の大イベントです。
それはもう超絶に面白かったので、最初に誘ってくれた友達そっちのけで楽しんでしまいました。そして、、、
「入部します。」
気付けば先輩に言っていました。
猪突猛進。完全にその場のノリと勢いだけで即決したのです。
しかし私は冷静に考えていました。
喘息がキツそうだし管楽器はやめておこう。
弦楽器だとすると、、、
ヴァイオリン?それかチェロ?
それかまさかの打楽器?
うーん。やっぱり弦楽器は憧れます。
男子でヴァイオリンを弾けるとかカッコ良すぎてモテモテだろうなぁ。
と、内心少しニヤけた所で再び考えます。
「チェロって渋くてダンディーで、ヴァイオリンよりカッコいいかもしれない…!」
チェロ希望者の集まりに向かいました。
新入生のチェロ募集はたった4人。
しかし希望者は上回っているので、話し合いで決めることになりました。
生徒A「私はチェロをやりたくてオーケストラ部に来ました。」
生徒B「うーん。私はそこまで気持ちが強くなかったし、別の楽器でも大丈夫です。。」
真面目な話し合いになっていましたが、
男子一人で面食らい、最強のコミュ障を発揮していた私はひたすらに沈黙を守りました。
もしここで誰かにこんな事を言われたら、私はNoを言えずにチェロを諦めてしまうでしょう。
私「(どうか誰も話かけないでくれま、、、)」
先輩「申し訳ないんだけど、もし大丈夫だったら他の楽器に行ってくれたりするかな…?」
私「。。。。。。。。。。」
私「(やばっ。。。。。。。)」
ーー永遠とも思える10秒の沈黙ーー
私「えっと、、、、、あの、、、、、」
私「、、、、、、チェロやりたいです。。。。」
これまでの人生で、
たぶん一番勇気を出しました。
こんな事でと思われるでしょうが、
こんな事でなんです。
名前は勇輝なのに全然勇気無いんです←
「直感と自分を信じて進む!」
「自分の気持ちを、外に伝えていく!」
この時期のテーマを少しずつクリアし、なんとかチェロの座をゲットしたのです。
ある時は女神のように優しく繊細で、
またある時はこのおじさんのように力強い、
あえて精神世界風に言うならば、
母性的でもあり、父性的でもあり、、、
そんな変幻自在なチェロの魅力に取り憑かれた私は、高校生活をチェロと共に爆進します。
次回に続きます!
読んで頂きありがとうございます☺️
サイキックでスピリチュアルで現実的なカウンセラー
自動書記ヒーリングアート画家
元ヨーロッパのプロオーケストラチェロ奏者
高橋勇輝
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