ヨーロッパのプロオケチェロ奏者になった道9
音楽に身を捧げ過ぎ、天狗化する
前回、初日から友人作りに失敗した私は、
高校生活全ての時間を、チェロの猛特訓に費やすことになります。
毎日、朝と放課後は音楽室で過ごし、
先生に「もう帰りなさい。」と言われるギリギリまで残って猛練習していました。
チェロを弾くのは心から楽しかったので、練習が終わるのが名残惜しいくらいです。
クラスでの人付き合い。
音楽以外の授業。
学校祭などの行事。
全てを捨てた私の高校生活は特に変わったこともなく、
しょっちゅう授業をサボっては、音楽室に隠れる始末です。
もう本当にどうしようもない😅
みんなに「どうしようもない音楽バカ」と認識されるのも自明の理です。
私は誰にも話しかけません。
もちろん誰かに話しかけられる事もなく、
私のヒソヒソ話だけは聞こえました。
耳だけは良かったので笑
私は私で「クラスの人たちの話し声を全部同時に聴き取り、エネルギーや色、風景などをイメージする」サウンドスケープ的な遊びを始めました。
奇しくもこれは、プロオーケストラでのアンサンブル能力「他の楽器の音を聴いて、的確に合わせる能力」を私に育てました。
こうして日に日にホームルームにいるのが苦しくなり、音楽室に逃げる日々。
毎回のテストはもちろん全部赤点。
努めて客観的に見ても、
本当にただのアホでしかありません笑
しかし当時の私は「(自称)孤高のチェリスト」であり、みんなとは違う自分に酔っていました。
ところで皆さんは、「天狗」を目撃したことはありますか?
大きな鼻ですよね。
「鼻」のシンボルはある葛藤を表します。
「我の強さ」です。
まるで亭主関白です←
*亭主関白(ていしゅかんぱく)とは…
亭主が関白のように家庭で威張る様子です。
「我の強さ」とは裏を返すと
「自信の無さ」です。
そう、コミュ障な私は、
根本的に自分に自信が無かったんです。
鏡で自分の顔を見るのも嫌いでした。
ネクラでダメダメでズルい自分を知っていました。だから嫌いでした。
「自分は特別なんだ!」
「チェロもピアノも弾けてすごい!」
「勉強はくだらないし自分には不要!」
そうして必死に何かにすがりつき、
気づけば天狗化していたわけです。
それでも良かった事が1つあります。
人としてどんなにねじ曲がっても、
チェロだけは上達したんです。
それが無ければ、現在オーケストラの仕事に就くことはできなかったでしょう。
それに私は、心の中のねじ曲がった思考を表に出さなかったので、そんなにひねくれ者だとは思われてなかったはずです。←たぶん
私の高校時代は、正直オーケストラ部以外には何も思い出がありません。
学校祭もほとんどサボっていましたし、クラスに友達はゼロでしたが、オーケストラ部の人には少しずつ心を開くこともできました。
一瞬だけ恋愛もしました。
当時の私はあまりに幼く、後輩であってもしっかり者だった彼女には迷惑かけました。
私の父性は暴走するだけで、優しく頼れる男性性は発揮できずに女々しさが露呈。。
しかしオーケストラ部での3年間は、本当に楽しかったです。
引退前日に大泣きするくらい、
大切な時間を過ごさせて頂きました。
結局これが私なりの高校生活だったんです。
今に続く、大切な人生の道のりでした。
次回、進路選択に焦った私は、あまりにも血迷った行動で周囲を仰天させます。
サイキックでスピリチュアルで現実的なカウンセラー
自動書記ヒーリングアート画家
元ヨーロッパのプロオーケストラチェロ奏者
高橋勇輝
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