宇宙を旅する音楽家 高橋勇輝

ヨーロッパのプロオケチェロ奏者になった道12

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全身の震えはビブラート?ポッキーみたいに粉砕する心

 

 

「道、真っ直ぐなのに迷ったんだよね笑」

 

大学生活初日から道を間違えて遅刻した私でしたが、それをネタにして数人の同級生と会話する事に成功しました。そこから音楽の話題に移行するのは自然な流れでありまして、

 

「何の楽器やってるの?」

「どの作曲家好き?どの曲すき?」

「いつから楽器やってるの?」

「音楽で進学するの反対されなかった〜?」

「将来は何になりたいの?」

 

無尽蔵の好奇心!

 

クラスメイトと当たり障りなく会話する。

 

なんてことない日常の風景ですが、そんな日常をどこかに置き忘れてきた私にとって、それは初めての連続でした。

 

「みんなと普通に話せることが、こんなにも当たり前で、こんなにも楽しいことだったなんて!」

 

〜数週間後〜

 

特定の誰かと深く仲良くなるわけでもなく、当たり障りない日常を過ごしていた私ですが、

ある授業の中で、みんなが少しずつ演奏を披露し合うチャンスが訪れました。

 

あくまで授業であってコンサートではありませんが、一応小さな本番として演奏する初めての機会です。もちろん私もチェロを披露します。

 

出番が訪れるまでは他の演奏を聴きます。

 

ここはさすがに音楽専攻です。

 

高校の部活とはレベルが段違い。

 

特に同じ弦楽器である、ヴァイオリン専攻の友人たちなんて「凄い」一言。

 

そう、「凄い」と思ってしまったんです。

 

 

 

「楽器は3歳くらいからやってるよー」

「始めた頃の記憶は無いんだよねー」

「なんで楽器始めたかなんて覚えてないな」

 

クラスメイトたちの言葉を思い出します。

 

チェロ歴たった3年の自分が、3歳からやってる人に敵うわけがない。ハナっから無理だった。

 

それでも出番は刻一刻と迫ります。

できることなら今すぐ逃げ出したい。

断頭台へ歩かされてる時の気持ちってこんな感じなのかな?まぁそれよりはマシか。

 

どうでもいいことが頭に浮かんだ頃、

私の順番はあっけなく訪れました。

 

チェロを弾くだけのことにこんなにも不安と恐怖を感じたのは初めてです。

 

演奏中の記憶はおぼろげ。

ただ、酷かったのは違いない。

手が震えて変なビブラートかかっちゃった。

ああ失敗したな。

 

自分みたいな下手くそがこんな所にいるのは場違いでしかない。

 

アマテラスのように岩戸があるなら入りたい気分です。

 

 

友人A「すごく難しそうな曲だったね😅」

私「あ、うん、難しかったかも。。。」

友人B「チェロ15歳から始めたんでしょー?それでこんなに弾けるようになるんだね!」

私「あぁ、うん、ありがとう。。。」

 

私のことを下手くそ呼ばわりせず、みんな気を遣ってくれました。

 

しかしそんな言葉、聞きたくありません。

聞けば聞くほど、みじめになるからです。

 

優しさを素直に受け取れませんでした。

 

こうして心は砕け散ります。

 

 
折れる所の話ではなく、まるで落としたポッキーのように完全粉砕←
 

〜今、岩戸は閉じられた〜

 

それから私は、普段は誰も来ない階の廊下、その1番はじにある練習室にひっそりと閉じこもるようになります。

 

他人と顔を合わせるのが恥ずかしくなるくらいの劣等感にまみれ、徹底的に人を避けました。

 

まだ誰も来ない朝一の時間に登校し、日中は練習室にこもり、全員が帰った後に帰宅。

 

授業、トイレ、食事などの最低限しか外には出ず、人の気配には異常に敏感。廊下の曲がり角から人が現れた場合、無言で引き返すことも多かったです。

 

孤立したい欲は深まる一方。

 

ある日仕方なく授業に出ていると、誰かの雑談が聞こえてきました。

 

「将来どうするのー?」

「音楽やってとけば、お金持ちと結婚しやすいでしょ。あとは趣味で音楽続ければいいかな」

 

心の中で決別の音が聞こえました。

(今ではそれも1つの素敵な選択だと、心から思えるようになりました)

 

練習練習練習練習練習練習

 

高校時代のようなピュアな情熱はなくなりました。友達作って遊んでるヒマなんてない!

 

私は練習室にこもり、全ての時間を練習に捧げるチェロの修羅となりました。

 

闇雲に練習するだけではなく、

 

練習効率の上げ方、

集中力の脳科学、

疲労回復の運動、

脳疲労回復の瞑想、

時間を無駄にしないスケジューリング、

舞台上でのメンタル作りの心理学、

 

あらゆる勉強に手を出します。

喪失した自信によって空いた大穴を埋めるかのように、知識をむさぼりました。

 

 

しかし食べても食べても満たされません。さすがにあのカオナシさんもビックリです。

 

無くなった自信を、自信以外で埋める術はありません。自信を取り戻すしか道はないのです。

 

そしてそれは相当に厳しい道となります。

 

 

あまりにも大きな自信喪失と劣等感。

自分を受け入れられない。受容葛藤。

 

 

今思うと、褒めてあげたい良かった点がその頃の私にも1つだけありました。

 

自分の実力不足をしっかり理解し、認め、それでも諦めずに練習に向かったことです。

 

「音楽の世界は厳しいです。毎年、全国で何人もの学生が音楽大学を卒業しますが、プロオーケストラに入れる人はまずいません。そもそも日本の全てのオーケストラを見ても募集が毎年あるわけではないし、仮にオーディションのチャンスがあったとしても、合格するのはただ1人。その1席を求めて、日本全国だけではなく海外からも人がわんさか来るんですよ。」

 

このように聞かされていたので、今の音楽大学でも最底辺である自分には到底ムリだと思えました。

 

それでも私は「演奏家としてプロになる」以外の将来を、一瞬たりとも見ていませんでした。この道には覚悟を決めて来たはずです。

 

 

 

 

こうして私の人生において、最も苦しく、最も涙し、最も努力した時期が始まります。

 

次回に続きます!

 

ps.

何も考えずピュアに生きていた小学時代、

心に葛藤が出現し始める中学時代、

チェロと出会って孤立した高校時代、

ついに大学生編まで来ました。ここからブルガリア到達まで、まだまだ色々経験します。

 

サイキックでスピリチュアルで現実的なカウンセラー

自動書記ヒーリングアート画家

元ヨーロッパのプロオーケストラチェロ奏者

高橋勇輝

この記事を書いた人

高橋勇輝

自動書記アーティスト、サイキックカウンセラー、プロのチェロ奏者として活動しております。超能力や精神世界との新しい向き合い方を探求し、それらを現実に活かせる芸術的エッセンスとして表現することで、今を生きる人々が互いに個性を楽しみ合えるような「彩」の世界を創りたいです。

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