宇宙を旅する音楽家 高橋勇輝

ヨーロッパのプロオケチェロ奏者になった道16

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ブルガリア人の温かさ〜極限での覚醒

 

 

プレッシャーと練習の日々を超えた私は、ついにブルガリアの地を踏みました。

空港到着は夜でしたので、そのままタクシーで宿泊するホテルへと向かいます。

 

「あー、着いちゃったなー。普通に観光だけの旅行なら、きっと楽しかっただろうなー。」

 

長旅で疲れているはずなのに、全然眠れませんでした。時差ボケもあります。

人生で一番の大舞台が待っているので、どうしても雑念が絶えないのです。

 

「オケの人への最初の挨拶、どうしよう。」

 

「間違えないでちゃんと弾けるかな。。」

 

「また下手くそって思われないかな。。」

 

「舞台で真っ白にならないかな。。」

 

「もういっそのこと、早く帰りたいな。。」

 

「朝起きたら夢だったらいいのに。。」

 

不安と劣等感はどんどん増幅します。

 

そしてもう1つ。周囲の人たちがかけてくれた言葉が、私の胸の中で絶えず聴こえます。

 

 

 

 

「高橋くんなら大丈夫!頑張ってください!」

「きっと良い経験になるよ!頑張って!」

「大変かもしれないけど、頑張って!」

「やるしかないさ。頑張って!」

 

「頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って頑張って…

 

 

もう頑張ってます!

 

 

っと頑張ってるよ…

 

頑張ってるのは自分です。

 

みんなの方が頑張ってないじゃん。

 

みんな簡単に言うけどさ、

 

頑張ってるんだよ…

 

これ以上、頑張れってさ。

 

。。。。。。。。。

 

いや、わかってるよ。

 

音楽やってるのもワガママだし、

 

贅沢な悩みなのもわかってるけど、

 

もっと大変な人は世の中にいるんだから、

 

いや、でもさ、、

 

今そういう事じゃないよね?

 

自分は自分だから、、

 

自分には自分の人生があって、、

 

だから頑張ってて、、

 

だって頑張らないとニートになるし、、

 

もう道は引き返せないし、、

 

。。。。。。。。。。。。

 

結局やるしかないんだよな、、

 

自分は恵まれてるんだから。

 

もうもらってるんだから。

 

極限の葛藤の中、

 

どこにも吐き出せないツラさに負け、

 

他人や環境を責めたくなりました。

 

過去の自分を責めたくなりました。

 

そして気付きました。

 

自分の人生に責任を持つということ

 

私には私の葛藤と幸せがあって、

 

人には人の葛藤と幸せがあって、

 

でもみんな生きている。

 

どうせツライなら、

 

どうせ頑張らなきゃならないなら、

 

もう受け入れるしかない。

 

外を責めたって何にもならない。

 

自分と向き合うしかない。

 

自分の意志で真剣に選んで、

 

必要な努力をちゃんとしたなら、

 

もし失敗したとしても、

 

きっとまた自分と向き合える。

 

そうやって歩んで、

 

時々は休んだりもして、

 

どこに到達するのかわからないけど、

 

きっとまた、新たな自分と向き合っている。

 

何があっても人生は自分のもの。

 

その選択は自分のもの。

 

そこさえ間違えないでいれば、

 

苦しいやツライ以上の何か、

 

例えば「幸せ」とか「自由」とも、

 

素直に仲良くなれる。

 

自分がいかに自由であったか。

それを思い出しました。

 

 

翌日、私は初日のリハーサルに向かいました。

 

もちろん、緊張でガタガタです。

 

そしてオーケストラの皆さんの前に立ち、飛行機の中で必死に覚えたカタコトのブルガリア語で言いました。

 

「Добър ден. Приятно ми е. Аз съм Юки.」

「(こんにちは。初めまして。ユキです。)」

 

たったこれだけです。これ以上は真っ白になって何も言えなかったので、あとはニコニコウンウンして誤魔化します。

 

すると、、、

 

オーケストラの皆さん全員から、大きな拍手が起きました。(まだ演奏してないんだけどね)

 

みんながニコニコしてくれています。

 

私は一気に安心しました。

 

そしてそのままリハーサル。。

 

私は作ったニコニコを維持したままチェロを弾いていました。

 

もちろん真剣に弾いていますが、

 

私は自分の緊張や弱さを、

なんだか全てさらけ出してしまった感覚があり、

 

とっても軽くなっていました。

 

それは人生で初めて軽さを感じた瞬間。

 

溜め込んできたお荷物を降ろしたような。

 

「ちょっとくらい下手でもいいか。それで誰かが死ぬわけじゃないし。経験なんだから。」

 

 

あとは楽しく弾くだけです。

チェロは好きですから。

 

私の緊張や弱さ、

そしてそれにまさる情熱と楽しさも、

 

全部きっと、オーケストラの皆さんにも伝わっていました。

 

休憩時間、たくさんの人が私の音楽を褒めに、わざわざ声をかけに来てくれました。

 

プロみたいに上手な演奏ではなく、まだまだ未熟な演奏だったのは間違いないですが、それでも「あなたの音楽好き」と英語で言ってくれた人もいました。

 

プロとしてブルガリアのオーケストラで勤めるようになった今ならわかります。コンサートを仕事として淡々に捉える意識も多い業界です。たった1回のコンサートに来た学生に、そんなに多くの人がわざわざ声をかけたりしないです。普通。

 

演奏をもっと良くする為に、楽器のアドバイスもたくさんくれました。わざわざ仕事時間外に。これも普通はないことです。

 

こうして楽しくリハーサルは進み、あっという間に本番の日を迎えます。

 

 

サイキックでスピリチュアルで現実的なカウンセラー

自動書記ヒーリングアート画家

元ヨーロッパのプロオーケストラチェロ奏者

高橋勇輝

この記事を書いた人

高橋勇輝

自動書記アーティスト、サイキックカウンセラー、プロのチェロ奏者として活動しております。超能力や精神世界との新しい向き合い方を探求し、それらを現実に活かせる芸術的エッセンスとして表現することで、今を生きる人々が互いに個性を楽しみ合えるような「彩」の世界を創りたいです。

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