ペットとの別れと出会い
地球で重なる時間
今年2019年初め、
北海道の実家で飼っていた猫が旅立ちました。
名前はヒカルという、おじいちゃん猫です。
私が小学生の頃、うちに来ました。
去年2018年の冬に日本帰省した際、
ヒカルは病気で既に弱っており、
これで会えるのは最後だと覚悟し、
私はブルガリアに戻りました。
そして間も無く、永眠の数日前、
私の夢にヒカルが現れました。
その夢の中で私は、
若く元気いっぱいなヒカルと、じゃれ合ったり、追いかけっこをしたり、何故か泣きながら遊んでいました。
ひとしきり遊び尽くすと、
彼は急にどこかへ歩き始めました。
私は追いかけます。
しかしどれだけ追いかけても、
追いつくことができません。
そして彼は、
どこからか現れた押入れの中に入ってしまいます。
その扉を開けるとそこには、
産まれたばかりの可愛らしい子猫がいました。
そこで夢から覚めました。
そしてその日は間もなく訪れます。
その時私はブルガリアで高速バスに乗っていましたが、突然、日本の母からの強烈な悲しみと寂しさを感じ取りました。体感としては、下腹部につんざくような痛みが来ました。
とにかくただ事ではないとわかりましたが、私のスマホは海外において外出時ネットを使えないので、すぐに連絡を取ることはできませんでした。
焦燥しながら数時間後に帰宅すると、私が母の想念をキャッチした時間にヒカルが永眠したと、連絡が入っていました。
たくさんの想い出と感謝と共に、
彼が安らかに旅立つ事を私は祈りました。
そしてその時、
奇跡のような経験をしました。
ヒカルの霊が現れたのです。
そしてさらに、
小さなマロのような男性の霊が、
ヒカルの頭の上にちょこんと座っていました。
そして、本当に本当に美しいビジョンを見せてくれました。
それは夕焼けの田舎の街並みでした。
その世界にはたくさんの小さな光の球が浮いています。
そしてその球が雨のように、
しかしゆっくりと優しく降り注ぎ、
全身が包まれます。
どこまでも綺麗で美しく、
穏やかで優しく、
そして温かい。
世界の終わりのような儚さ。
そんな景色の中に私はいました。
声が聴こえます。
「彼が地球に生まれ生きた事で、これだけ多くの光が世界に生み出されました。宇宙においてそれだけ大きな意味を持った、尊い一生だったという事です。一つ一つの光、その想い出を感じてください。今もあらゆる形で、皆さんの中にも光が生きて輝いている事と思います。後悔は願っていません。願わくばその光の部分をみて感じ、温かい感情でいてください。美しく想ってください。私たちは深く感謝しています。ありがとうございます。」
私は一つ一つの光の球を覗きました。
一つ一つに、
温かい想い出が詰まっていました。
涙が出ました。
程なくして夕焼けの世界は儚く溶け消え、
残ったヒカルとその霊も、
私に背を向けて歩き出しました。
別れというのは、
本当に悲しく寂しいことですね。
この地球には多くの出会いがあり、そしてどんな出会いにも必ず別れが訪れます。
それは絶対に避けられません。
永遠に一緒にいられたら良いのに。
そう思う事だってきっと、誰にでもあります。
儚い事ですが、
そこには何にも代え難い尊さ、美しさ、温かさがあります。
そんな奇跡のような愛情に触れる事で、
人は大きくなるんだなと思いました。
万物は常に動き続けています。
それぞれの方向に進んでいます。
そして別の存在とぶつかり出会い、
一緒の時を過ごし、
いつかは通り抜けていきます。
みんな、本当は自立した存在なんですね。
私はヒカルと出会い、
10年以上を共に過ごし、
そして別れました。
そんな経験をする事ができて、本当に良かったと思います。
出会い、別れる事ができたことに、
心から感謝します。
読んで頂きありがとうございます😊
高橋勇輝
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