過去世 舞い満ちる
過去世(前世)の紹介
私がこれまでに拝見し感動した、
ある友人の過去世を紹介します。
江戸時代
大きな舞台のような所で、複数の着物女性が舞を披露しています。
お客さんもたくさん見物しており、歴史ある舞台劇場のような雰囲気です。
その友人の過去世は、その舞の指導の立場をする40代くらいの女性に見えました。
かなり情熱的な女性で、ハッキリした物言いで厳しく指導していた為、若手の踊り子たちには少しウザがられたりもしています。
しかしそんな事は全くお構い無しの様子です。
次に見えたシーンは、
時は数十年前に遡ります。
まだ小さく10にもならない女の子が、
ドキドキで初稽古を受けるシーンでした。
入門初日であるようで、
とても緊張しており、初々しい様子です。
この女の子が、
数十年後に指導の立場につく女性です。
着物を着た舞で、上手に回る事ができずに転びそうになっています。
そんな彼女はそれから数年間、同年代の女の子たちと切磋琢磨しながら修行を続けます。
初めてお客さんの前に出た日も、大緊張の舞台でした。
それからは現役として第一線で活躍するよう、
立派に成長していく事となります。
いつしか気づけば年長組となり、
現役引退の歳となり、
指導者として残る事になりました。
長年続けてきただけあり、
舞台にかける想いや情熱は誰よりも強かったです。
それ故に、若い女性からは陰口を言われたりもしますが、そんな事では彼女の情熱は当然引っ込みません。芯の強い女性だと感じました。
素晴らしい舞台を何度も作り上げてきた彼女は、ついに指導の立場すらも引退する時が来ます。
あの小さかった女の子は、お婆ちゃんになっていました。
それでも亡くなる直前まで、周囲に支えられ杖をつきながら、何度も劇場に足を運びます。
自分が人生をかけたその場所で、次の世代の女の子たちが稽古している姿を、胸熱く、そして温かく見守っています。
たくさんの想い出と、言葉にできない想いが、とりとめもなく溢れてきます。
そしてやっぱり時々、客席から指導を飛ばしたりもしているのです。
程なくして彼女の人生の幕は降りました。
これ以上ない程に、一本芯を通した人生。
1人の小さな女の子が、
ドキドキで初稽古を受け、
仲間と共に成長し、
現役で活躍するようになり、
指導の立場になり、
おばあちゃんになって、
歩けなくなっても通い続け、
そしてその人生を振り返る。
特別インパクトのある過去世ではないかもしれません。
ですが私は、この友人の過去世をゆっくりと追体験し、心から感動しました。
普通の人が、
何かに一生懸命になり、
たくさんの失敗や成功を重ね、
たくさん悩み喜び、
最期に何を想うのか。
そこには言葉にできない何かがあります。
私はこれまで多くの過去世を拝見してきました。
どんな人生にも必ず終わりが来ます。
そして一つ一つの人生には、何とも比べられない、それぞれの意味と価値があります。
どんな人生も、等しく最高に尊い。
そういう事が、実感を伴って理解できるようになっていきました。
そしてそれは、私を含め今を生きる人たち全員に言える事です。
人生に成功も失敗もありません。
強いて言うならば全て成功です。
どんな選択をしても、どんな失敗や後悔をしても、どんなに恥をかいても、それでも大丈夫です。自分を許して良いのです。
それ以上に光、想いを生んでいます。
人はそれぞれの宇宙を生み出す、神であるとも言えるかもしれません。
そう思えたら自然と、
今側にいる家族や友人を労ろうと思えます。
小さな事でも楽しもうと思えます。
既に持っている幸せを味わおうと思えます。
どうせならそういう生き方をした方が、今ここで小さな幸せと自由を味わえます。
こういう考え方が単なる甘えに傾かないよう、時に厳しさも知る必要がありますが、全てを綺麗事だと切り捨てたくはないとも思うのです。
前の記事へ
次の記事へ